ろうきん(労金)は金融関係の様々なサービスを行っている金融機関ですが、カードローンも扱っています。
消費者金融でのカードローンと比べると有名ではありませんが、ろうきんのカードローンの金利や借入方法はどのようになっているのでしょうか?また、ろうきんのカードローンは消費者金融のカードローンと比べてどう違うのででしょうか?お得なのでしょうか?
ここでは、ろうきんカードローンの特徴や消費者金融カードローンとの違いを解説をしていきます。
ろうきんとは
「ろうきん」というのは「労働金庫」の愛称のことで、「労働金庫法」に基づいて運営されている金融機関です。また、ろうきんは株式会社ではなく、協同組合です。協同組合というのは、個人や中小企業が同じ目的のために共同して事業を行っている非営利組織のことです。
ろうきんに関するデータ(2016年3月末日のもの)
- 金庫数 13金庫
- 店舗数 639店舗
- 間接構成員数 10,465,995人
ろうきん利用時は住んでいる地域のろうきんを利用する
ろうきんで借り入れを行う際の金利は地域によって異なるということです。
ろうきんは全国に13種類の労働金庫が存在し、お住いの地域のろうきんしか利用できません
利用できる地域は下記に記載している住んでいる場所、勤務している場所によって異なります。
たとえば、中央ろうきんは、関東1都7県(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨)に住んでいるか、勤務している人に対してサービスを提供しています。
全国にあるろうきんは以下の通りです。
- 北海道ろうきん
- 東北ろうきん(東北地方)
- 中央ろうきん(関東地方、山梨県)
- 新潟ろうきん
- 長野ろうきん
- 静岡ろうきん
- 北陸ろうきん(富山、石川、福井)
- 東海ろうきん(愛知、岐阜、三重)
- 近畿ろうきん(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)
- 中国ろうきん
- 四国ろうきん
- 九州ろうきん
- 沖縄ろうきん
ろうきんではカードローンだけでなく目的別ローンや預金などの商品・サービスがある
ろうきんには次のようなサービス・商品があります。
- カードローン
- 目的別ローン:自動車ローン、住宅ローン、教育ローンなど
- 預金
普通預金、貯蓄預金、定期預金、財形貯蓄、積立式定期預金(エース預金)、企業年金・企業型確定拠出年金、個人型確定拠出年金(iDeCo)など
ろうきんでは、消費者金融業者とは異なりカードローンの商品だけなく預金や目的別ローンの商品もとりあつかっています。
ろうきんのカードローンの詳細
ここでは、ろうきんの「マイプラン」と呼ばれるカードローンの金利などの基本情報をみていきましょう。「中央ろうきん」「近畿ろうきん」のカードローンを例として取り上げます。
中央ろうきんのカードローン「マイプラン」の金利・限度額
団体構成員 | 生協会員の組合員(同一生計家族) | それ以外の一般の勤労者 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
金利 | 年3.875% | 年4.055% | 年5.275% | |||
~年7.075% | ~年7.255% | ~年8.475% | ||||
利用限度額 | 最高500万円 | 最高500万円 | 最高500万円 |
近畿ろうきんのカードローン「マイプラン」の金利・限度額
会員組合員 | 生協組合員 | 一般勤労者 | |
---|---|---|---|
金利 | 6.150~8.550% | 6.330~8.730% | 6.550~8.950% |
利用限度額 | 最高500万円 | 最高500万円 | 最高500万円 |
後ほど消費者金融のカードローンと比較しますが、ろうきんのカードローンの金利はかなり低いものとなっています。
ろうきんのカードローンは、団体構成員であるか、生協組合員であるかなどで金利や借入条件が異なってきます。それぞれの意味を確認しておきましょう。(下の表は中央ろうきんにおける分類)
団体構成員 |
一定の条件を満たす。 (1)労働組合 (2)国家公務員・地方公務員等の団体 (3)勤労者のための福利共済活動を目的とする団体の構成員 |
||||
---|---|---|---|---|---|
生協会員の組合員 | 中央労働金庫に出資している生協のうち、生協組合員融資制度を導入している生協の組合員 | ||||
一般勤労者 | 関東1都7県(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨)に住んでいる、あるいは勤務している人で団体構成員でも生協会員の組合員やその同一生計家族でもない人。 |
ろうきんカードローンの借入方法
カードローン「マイプラン」の借入方法は次のようになります。(中央ろうきん準拠)
- ホームページの「カードローン(マイプラン)仮審査申込」から申し込みフォームへ進み必要事項を入力
- 仮審査が行われ、営業店から審査結果の連絡
- 本申し込みの手続き
- 審査が行われ通っていれば、契約手続き
- 契約完了後、借入の利用が可能
なお、契約完了後に発行されるローンカードは、全国の金融機関・コンビニのATMで使うことができ、ATM手数料はキャッシュバックされます。
消費者金融系カードローンや銀行系カードローンの利便性と比べても劣っていないということになります。
ろうきんには住宅ローンなどの目的別ローンもある
ろうきんでは目的に応じた様々なローンが用意されています。
中央ろうきんを例にとると「住宅ローン」「カーライフローン」「教育ローン」「フリーローン」「福祉ローン」などがあります。
中央ろうきんの住宅ローン(不動産担保型)の基本情報を見てみましょう。
使い道 | 自己(または2親等以内の親族)居住用の住宅・宅地の購入、新築、増改築・リフォーム資金 |
---|---|
融資金額 | 最高1億円 |
融資期間 | 最長35年 |
担保 | 対象物件の不動産担保 |
金利(全期間固定金利型) | 年3.100%(金利引き下げ後、年1.250%) |
金利(変動金利型) | 年2.475%(金利引き下げ後、年0.575%) |
金利引き下げ制度 | 特定の条件を満たすと金利引き下げが行われます。 |
その他のろうきんの目的別ローンについても見てみましょう。
使い道 | 結婚費用やパソコン購入、カルチャースクール、旅行費用など、さまざまな資金や、他金融機関等のローン借換費用。 |
---|---|
融資金額 | 最高500万円 |
返済期間 | 最長10年 |
金利 | 5.825%~7.500% |
このようにろうきんでは、ライフステージに合わせたローンが用意されています。
ろうきんカードローンと消費者金融との違いとはなにか
ろうきんと消費者金融の一番大きな違いは、ろうきんが協同組合で、消費者金融業者は多くが株式会社であるということです。
ろうきんは非営利で、消費金融は営利だという違いがあるのです。
ろうきんカードローンとアコムカードローンとの詳細情報の比較
消費者金融の代表としてアコムのカードローンを、ろうきんの代表として中央ろうきんのカードローン「マイプラン」を選んで、それぞれの情報を比較してみましょう。
中央ろうきんのマイプラン | アコムのカードローン | |
---|---|---|
利用限度額 | 最高500万円 | 1万円から800万円まで |
金利 | 3.875%~8.475% | 3.0%~18.0% |
無利息サービス | なし | あり(30日間無利息サービス) |
金利タイプ | 変動金利 | 固定金利 |
総量規制 | 対象外 | 対象 |
ろうきんのカードローン「マイプラン」の上限金利が圧倒的に低いことがわかります。特にはじめての申し込み・借入の場合は上限金利が適用されるケースがほとんどですので、8.475%と18.0%を比べると大きな差になります。ろうきんのカードローンの金利水準は銀行系カードローンと比べても低いと言えます。
アコムの特徴
30日間無利息サービス実施中
アコムのキャッシングを利用したことがない方でも「はじめてのアコム♪」というテレビCMでご存知だと思います。アコムは1978年から営業している大手消費者金融会社です。2008年に三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社となり都市銀行の傘下に入りました。担保や保証人不要で、最短30分で審査完了、WEB申し込みで来店する必要なく即日融資も可能です。
アコムのおすすめのポイント
- 30日間無利息サービスを実施中
- 初めての人でも安心できるカードローン
- 審査スピードや融資スピードが速く、即日融資が可能
- 24時間受付可能のインターネット申し込み可能
- 自動契約機と店舗窓口での契約が可能
- おまとめローンの取り扱いあり
実質年率 | 3.0~18.0% |
---|---|
借入限度額 | 1~800万円 |
審査時間 | 最短30分 |
融資までの時間 | 最短1時間 |
ろうきんは総量規制の対象外である
また、消費者金融が総量規制の対象であるのに対して、ろうきんは総量規制の対象外です。
総量規制とは、個人の貸金業者からの借入を年収の3分の1までに抑えなければならないという決まりです。たとえば年収300万円の人の場合、その3分の1の100万円までしか借入を行うことはできません。他社で借入がある場合は合算されるので、その分だけ上限限度額から差し引かれることになります。
ろうきんは貸金業者ではなく信用組合なので総量規制の対象にはなりません。規制対象外だからといって借り過ぎるのは危険ですので注意するようにしましょう。
ろうきんの借り入れ時の審査は消費者金融より厳しい
もう1つ消費者金融との比較で気になるのは、借り入れ時の審査基準だと思います。ろうきんのカードローンの審査基準は公表されていませんが、消費者金融の審査よりも厳しいということは金利条件などから簡単に予想することができます。
アコム、アイフル、プロミス、SMBCモビットなどの大手消費者金融業者のカードローンの審査通過率は40%~50%ですが、それよりも厳しい通過率であるはずです。
とにかく早急に確実にお金が必要という場合は、大手消費者金融を選んだ方がよいケースもあるでしょう。ただ、ろうきんのカードローンの金利は魅力的なので選択肢に入れたいところですね。ろうきんが指定する団体の構成員や、生協の組合員には金利が優遇される制度があるのでさらにおすすめです。もちろん、一般勤労者に当たる人でも、ろうきんは条件がよいのでおすすめです。