消費者金融の過払い金を取り戻すための方法

消費者金融を利用していた人の中には、2019年に入ってから、過払い金の払い戻しを検討している人もいるのではないでしょうか。

過払い金は、消費者金融から2006年1月以前に借入を行い、2009年5月以降も返済を続けていた人であれば、2019年4月時点でも過払い金を取り戻せる可能性があります。

しかし、過払い金額の確認や、取り戻すための方法が分からないと、何から行動していいのか分かりませんよね。

当記事では、過払い金の詳しい説明と、消費者金融から過払い金を取り戻す方法をご紹介します。

過払い金とは何か?

過払い金とは、消費者金融からの借り入れを返済する際に、必要以上に払い過ぎてしまった利息のことをいいます。
消費者金融などの貸金業者が貸付けをする場合、不当な高金利から利用者を守るため、利息制限法という法律によって上限金利が下記のように定められています。

貸付金 上限金利
10万円未満 年20.0%
10万円以上100万円未満 年18.0%
100万円以上 年15.0%

例えば、消費者金融が利用者に50万円の貸付を行う場合、利息制限法によって上限金利が年18%に定められています。

仮に、消費者金融が50万円に対し年20%の金利を設定しても、上限金利を超えた2%は無効になるため、利用者が利息を払う必要がありません。

過払い金が発生する原因

過払い金は、利息制限法の上限を超えた金利で返済が行われるみなし弁済が原因で発生します。

みなし弁済は、消費者金融が利用者に貸付けをする際、一定の条件を満たすことで、利息制限法の上限を超えた金利で融資を行える仕組みです。

つまり、消費者金融はみなし弁済を適用することで、無効であるはずの利息制限法の上限を超えた金利で融資を行うことが可能でした。
しかし、2006年の1月13日に最高裁で行われた、みなし弁済に関する裁判で、利息制限法の上限を超える金利は、特別な事情が無い限り無効という判決が出ました。

この判例を受けて2006年以降は、みなし弁済で余計に払っていたお金(過払い金)が、消費者金融へ過払い金請求をすることにより取り戻せるようになりました。

なお、みなし弁済は、2010年6月の貸金業法の改正によって撤廃されました。
そのため、2010年6月以前に消費者金融から借り入れを行った人は、過払い金が発生している可能性があります。

グレーゾーン金利とは?

過払い金は、消費者金融の利用者が、グレーゾーン金利で支払った分の利息が対象になります。
グレーゾーン金利とは、利息制限法の上限金利を超えた金利から、出資法の上限金利までの範囲のことです。

出資法は、消費者金融などの貸金業者が、29.2%を超えた金利で貸付けをした際、刑事罰に科せることを規定した法律です。

消費者金融は、みなし弁済を適用することで、貸付金額に関わらず、グレーゾーン金利の上限である29.2%までの金利を設定していました。
しかし、最高裁の判決によって、みなし弁済が無効になったため、グレーゾーン金利で支払っていた利息が過払い金の対象になりました。

関連項目:「消費者金融のグレーゾーン金利とはどのようなものだったのか

消費者金融は過払い金を返還する義務がある

過払い金は、消費者金融に過払い金返還請求をすることで、取り戻すことができます。

過払い金は、利用者が消費者金融に支払う必要がないお金のため、民法第703条で定められている、不当利得の返還義務に該当するからです。

不当利得の返還義務とは、法律上の原因がないのに他人の財産や利益をもらったことで、他人に損失があった場合、できる限りの範囲で財産や利益を返還する義務のことです。

つまり、過払い金は、法律上の原因がないのに、消費者金融が利用者からもらった利益になります。

そのため、消費者金融は、貸付けを行った利用者に過払い金があった場合、返還請求に応じなければいけません。

過払い金の返還請求ができるのは10年間

過払い金の返還請求ができる期間は、消費者金融からの借入を完済してから10年間になります。

民法第167条には、

債権は、十年間行使しないときは、消滅する。

という規定が定められているからです。

この場合の債権とは、利用者が消費者金融へ、過払い金の返還請求ができる権利のことです。

つまり、過払い金は、借入金の完済後10年経過すると時効となり、返還請求をする権利が消滅してしまうのです。

消費者金融からの借り入れを2009年3月以降に完済している人は、2019年4月時点で10年が経過しているため、過払い金を返還請求することができません。

ただし、特定の消費者金融から借り入れと返済を継続的に繰り返していた場合、過払い金が返還請求できる期間は、最後に取引が終了した日から10年間になります。

そのため、過払い金の返還請求ができる期間を知るには、金消費者金融との最終取引がいつになっているのかを確認してみましょう。

過払い金の有無を確認する方法

過払い金の有無は、消費者金融との取引明細に記載されている、契約時の金利で確認することができます。

取引履歴とは、消費者金融で管理されている帳簿を基に、利用者の間で交わされた契約内容や、借り入れと返済が行われた際の情報が記載されたものです。

つまり、取引履歴を確認すれば、契約時に設定された金利が分かるので、仮にグレーゾーン金利の範囲であれば、過払い金が発生している可能性が高いと判断できます。

消費者金融は、取引履歴を10年間保管することが法律で定められており、利用者に開示する義務があるため、取引履歴が欲しいことを伝えれば取り寄せることができます。

ただし、取引明細は、消費者金融によって、発行するための手続きや発行までの期間が異なります。 取引履歴を取り寄せるには、まずは利用した消費者金融へ問い合わせてみましょう。

過払い金の計算をする

過払い金の具体的な金額は、消費者金融からの取引履歴を基にして、引き直し計算で求めることができます。

引き直し計算とは、すでに支払った消費者金融への返済額を、利息制限法の上限金利で計算し直し、差額から過払い金を求める方法です。

たとえば、消費者金融から金利25%で50万円の借り入れをした場合、下記の計算式で過払い金を算出することができます。

50万円を年利25%完済した返済総額 - 50万円を上限金利の15%で完済した返済総額

引き直し計算は、消費者金融の取引履歴があれば、ご自身でも計算することができます。

しかし、計算を間違うと、消費者金融へ過払い金返還請求をしたときに、返還額が少なくなる場合や、返還請求に応じてもらえないことがあります。

そのため、正確な引き直し計算をする場合は、専用ソフトを利用するか、弁護士事務所に相談してみましょう。

消費者金融に過払い金の返還請求をする方法

過払い金請求は、「過払い金返還請求書」の情報を基に、消費者金融の担当者と交渉することで行います。

過払い金返還請求書には、利用者情報(過払い金の振込先口座)、取引期間、取引金額、発生している過払い金額など、利用者が消費者金融と交渉する際に必要な情報が明記されています。

ただし、過払い金は、消費者金融に返還請求を行っても、確実に返還されるわけではありません。

過払い金の返還は、法定拘束力がないため、消費者金融と利用者が交渉して和解する必要があるからです。

消費者金融によっては、交渉の際に過払い金の減額を求めてくる場合や、そもそも交渉に応じない場合があり、和解が成立しない場合があります。

そのため、消費者金融から過払い金を取り戻すには、個人で交渉するのが難しいため、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士に依頼するのと手間がかからない

過払い金返還請求は、個人で行うと時間と手間がかかるため、弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士は、過払い金返還請求の依頼を受けると、資料の用意や消費者金融との交渉など、過払い金を取り戻すために必要な手続きを、利用者の代わりに全て行ってくれるからです。

さらに、消費者金融と交渉にも長けているため、過払い金の返還額を満額に近づけることができます。 利用者は、弁護士に過払い金返還請求を依頼することで、普段の生活リズムを崩さずに、過払い金が入ってくるのを待つことができます。

ただし、弁護士に過払い金返還請求を依頼するには、着手金や成功報酬などの費用が発生します。 そのため、弁護士に依頼する際の費用が気になる方は、無料相談に行き、事前に金額を確認しておきましょう。

過払い金が戻ってくるまで数か月かかる場合もある

弁護士が、消費者金融に過払い金返還請求をしてから、過払い金を取り戻すまでに4か月から1年近くかかる場合があります。

過払い金を取り戻すまでには、取引履歴の取り寄せで約1か月~2か月かかり、消費者金融との和解交渉から過払い金が返還されるまでに、2~4か月ほどの期間がかかると言われています。

また、過払い金返還請求の先によっては、資金力のない中小規模の消費者金融や、経営状態が良くない消費者金融の場合があり、過払い金の返済を渋られることで交渉が難航する可能性があります。

そのため、過払い金を返還請求できる期間が迫っている人は、弁護士に依頼している最中に時効になってしまうおそれもあるため、早めに相談するようにしましょう。